ナンパ大作戦(2)

毎週日曜日の「ナンパ大作戦」が失敗に失敗を重ねていたある日のことだ。

おっさんと知り合いに

 いつものように五稜郭の芝生に座り込んでぐだぐたしていた時に、

「君ら高校生?」

 と声をかけられた。

 声の主は30代半ばのおっさんだった。

今でいうニート

 かわいこちゃんをゲットしに来ているのに、おっさんと話をしてどうする。

 最初は適当にあしらっていたが、少し話してみると悪い人ではないようだった。

 人なつっこくて害はなさそうなので、僕ら3人はおっさんといろいろ話をした。

 おっさんは五稜郭から徒歩圏内に住んでいた。

 仕事はしておらず、両親と住んでいる。

暇なので一日中五稜郭あたりをうろうろしているらしい。

今で言うニートであろう。

本場のポルノ雑誌

適当に聞き流していたのだが、おっさんは聞き捨てならないことを言った。

「アメリカのポルノ雑誌持ってるけど、見たい?」

まだAVもネットもない時代である。

女性の裸が見たければ、それ用の雑誌を買うしか手段はなかった。

ただ、日本の場合、法律の規制によって、公序良俗に反するという理由で肝心の所は黒く塗り潰されており、迫力に欠けること甚だしいのだ。

一方、米国にはそんなくだらない規制はない。

すっぽんぽんである。

ありのままである。

「見たい!」

「見たい!」

「見たい!」

僕ら童貞3人組高校生は、声をそろえたのだ。

金髪のチアリーダー

「ちょっと家に戻って取ってくるから、20分くらい待ってて」。

おっさんはそう言うと、さびの浮いたチャリンコにまたがり去って行った。

30分後。

おっさんは戻ってきた。3冊ほど雑誌を抱えていた。

僕ら3人とおっさんは、五稜郭の芝生に車座になって真ん中に雑誌を置いた。

まず見たのは、金髪の20代半ばとおぼしき女性が表紙のポルノ雑誌である。

まあ美人の部類に入るであろう金髪のおねーちゃんが、チアリーダー姿で写っていた。

ついにそのときが

ページをめくるごとに、おねーちゃんは少しずつ服を脱いでいき、ついにはパンツも脱いですっぽんぽんの立ち姿になった。

あそこの毛は金髪である。

へー、金髪は金髪なのね。

などと関心していると、次のページには衝撃的な写真が載っていた。

金髪ねーちゃんが大きく足を広げ、笑顔で愛想を振りまいていた。

お股の間は丸見えである。

それは僕が想像していたのとは全く違っていた。

日本人とアメリカ人の違い

それまで僕が見た女性のあそこは、縦に一本線が入っているだけのまあシンプルなものだった。

しかし、金髪ねーちゃんのあそこは、極めて複雑で、生々しく、そこだけが別の生命体のようであった。

予想外の光景に驚き、今までの経験から導き出した僕の結論は、

「日本人は縦線一本で、アメリカ人はこうなのね。」

であった。

日本人もアメリカ人も

それから2年。

大学生になって、僕は日本人の女性と初体験した。

実は日本人の女性もこうなのであった。