今から50年近く前。
僕が小学校2年生の時、スカートめくりが大流行した。
目次
ハレンチ学園の影響
僕の学校に通っていた小学生男子が特別にスケベだった、というわけではなく、全国の小学校で大流行したのだ。
漫画家の永井豪さんが書いた「ハレンチ学園」がきっかけだったように思う。永井豪さんは「マジンガーZ」や「デビルマン」で知られるが、「あばしり一家」や「キューティーハニー」をはじめとするお色気漫画も大得意であった。僕もドキドキしながら読んだものである。
女子にそっと近づいて
さて、実際のスカートめくりだが、女子とのすれ違いざまや、あるいは後ろからそっと近づいて、パッとスカートをめくり、「パンツ見っけ」(なんか日本語として変だがたしかこうだったと思う)と叫んではしゃぐ、というものだった。
女子の反応は様々で、「いやん」といってスカートを押さえるかわいらしいものだったり、怒ってほうきを持って男子を追いかけまわしたり。
スリルを楽しむ
男子の場合、スカートの中をのぞいてみたい、というスケベ心も当然あったが、まだみんな小学2年生なので、めくる瞬間のスリルや成功した時の達成感、女子の様々な個性的な反応をむしろ楽しんでいたように思う。
今なら大問題だろう。牧歌的な時代だった。
優等生がゆえの悩み
僕もスカートめくりには非常にとても極めて興味があった。ありていに言うと、やりたくてやりたくて仕方なかった。
しかし、残念なことに僕は先生も周囲も認める優等生で、学級委員長だった。
やんちゃな友達がスカートめくりをするのとはわけが違う。周囲の反応が怖くてどうしてもできなかったのだ。
コバンザメ作戦発動!
そこで、発明したのが「コバンザメ作戦」だ。
スカートめくりをしょっちゅうしているやんちゃな男子のすぐ後ろあたりの位置をキープするのである。そいつの後をついていき、そいつがスカートめくりをするのをひたすら待つ。
「僕は興味ないけど、いや、偶然みえちゃったよ」という作戦である。
僕は優等生の仮面をかぶっていたが、実はこすからいいやな子供であった。
男は小学生の時からバカ
この作戦は結構功を奏した。かなりの確率で女子のスカートの中をのぞくことができたのである。見えた瞬間はまさにドキドキワクワク、超ハッピーである。男は子供の時からバカなのであった。
スカートめくりの対象が女子全員だったわけではない。
女の子を選んで
本気で怒られそうな子、あまり可愛くなくて見ても全然楽しくない子、それに加えて、僕と同じクラスの女子で1番のお嬢様のミカちゃんには誰も手を出さなかった。
男はバカであるが、そのへんは意外とわきまえているのだ。
お嬢様のミカちゃんの背後に
ある日、いつものようにやんちゃな孝太君にコバンザメ作戦を仕掛けているときに、なんと孝太君は友達と話し込んでいるミカちゃんの後ろへと獲物を狙うハイエナのようにそろそろと近づいていった。
(まさか、やるのか)。
僕はサスペンス映画を見ているときのようにハラハラドキドキした。かなりの期待もあった。
「パンツ見っけ!」
孝太君は掛声とともに本当にやった。ミカちゃんの赤いスカートが見事に舞い上がり、中が覗いた。
かわいいおしりが
僕はそれを見た瞬間強い衝撃を受けた。ミカちゃんの純白のパンツは、サイズが小さすぎたのか、左右がめくれあがっていわゆるTバッグ状態になっていた。
かわいいおしりがくっきりはっきり見えたのである。
泣き出したミカちゃん
「いやっ」。
ミカちゃんはスカートを押さえて泣き出してしまった。
女子が数人、ミカちゃんの周りに集まって「大丈夫?」と心配そうに声をかけ、考太君を全員がキッとにらんだ。考太君は青ざめていた。
ブームはあっという間に下火に
その事件のせいかどうかわからないが、数日後の全校集会でスカートめくりは全面的に禁止ということになり、ブームはあっという間に下火になった。
しかし、大人になった今でも、ミカちゃんの真っ白なおしりは僕の頭の中にくっきりはっきり残っているのだ。