形容詞は使わない1 大きさ 

2021/12/23

「美しい」「大きい」「悲しい」などの形容詞は使わないで書く訓練をしましょう。

美しさや大きさの基準は人それぞれ

「美しい景色」といっても、人それぞれに思い浮かべるものは違います。「大きな木」も、人によって基準は違います。書いた本人は自分の感覚が伝わると思って書いているのでしょうが、読者には正確に伝わりません。正確に伝えるためには、どこがどう美しいのか、どの程度の大きさなのかを具体的に指し示す必要があります。

 大きさを具体的な数字で示す

「大きい」をどう表現するか考えてみましょう。まず、読者が思い浮かべられる範囲であれば、数字で表すのが簡単です。例えば、縦1㍍、横2㍍、高さ3㍍の箱、と言えば、だいたい想像がつくでしょう。多くの人に共通した物差しを使って表現するのも手です。スーツケース大の荷物、大人が両手を広げた幅、など、具体的にイメージしやすいたとえを使うのも有効です。

 東京ドーム〇個分はなぜ使われるか 

 さらに大きな単位、例えば15万平方㍍の広さを表すにはどうしたらいいでしょうか。ここで登場するのがおなじみの東京ドーム〇個分、という表現です。東京ドームの広さは4万6755平方メートルなので、この場合は東京ドーム3個分の広さ、という事になります。東京ドームは代表的な野球場であり、コンサートなどのイベント会場でもあります。テレビでもよく中継されていますので、イメージしやすいということでしょう。

 さらに大きいものは工夫して表現 

東京ドームができる前は、後楽園球場〇個分、という表現が使われていました。多くの読者にわかりやすい、ということで使われていますが、ベターではあるけれどもベストな表現とは言えないと思います。もう少し小さければテニスコート〇個分でもいいし、もっと大きければ琵琶湖の約半分、など工夫して使えばいいでしょう。