文章が上達するコツとして、接続詞と指示詞をできるだけ使わないで書くという方法があります。
接続詞は「そして」「だから」「しかし」などの類いです。前の文章を受けて、さらに説明したり、論点を補強したりする順接の接続詞と、話を転換するときに使う逆接の接続詞があります。
「そして」は無くても意味は通じる
手元にある本でも雑誌でもなんでもいいのですが、手に取ってためしに「そして」「それから」など順接の接続詞が出てきたら省いて読んでみてください。問題なく意味は通じると思います。もし意味が通じなければそれはよほどの悪文です。考えてみれば、順接の接続詞は前の文章の流れを受けて話を展開するためのものですから、文章がしっかりしてれば不必要です。
接続詞を多用すると小学生の作文に
文章を書き慣れていない人ほど、順接の接続詞を使いがちです。小学生の作文には、以下のような文章が多く見られます。
「朝起きて準備して、それからお父さんと車に乗って釣りにいきました。そして、釣り竿を準備して岸壁に行きました。そして、餌をつけて海に入れました。でも、なかなか釣れませんでした。そしたらお父さんがまき餌をしてくれました。すると、竿がブルブルして、魚が釣れました。「やった」とうれしくなりました。」
接続詞がないほうが文章のリズムがいい
意味は通じるのですが、間延びした文章になってしまいます。出来事を時系列で説明しようとして、思考が次に進むときに接続詞を使うことがクセになっています。上記は極端な例ですが、大人の文章でもあるケースです。
順接の接続詞は書き手にとってはリズムを取るのに役立っていますが、読み手にとってはリズムを悪くします。限られた行数の中で中身の濃い文章を書くために、順接の接続詞はよほど効果が見込める時以外は使わないようにします。