短文を有効に使う

記事を書き慣れていない人は、自分が強調したいことを言葉を尽くして説明しようとしがちです。

しかし、それは逆効果です。

できるだけ短い言葉で書く方が、読者に強く印象を残します。

   青と白のイルミネーション

 例えば、東京・六本木のけやき坂通りのクリスマスのイルミネーションに感動したことを書くとしましょう。

 けやき坂通りは、シャネルやルイ・ヴィトンなど高級ブランドのショップが軒を連ねる、都内でも有数の高級感のある街並みが特徴です。

 クリスマスには街路樹一本一本に数多くのLED電球が取り付けられます。

電球は白と青の2色で、雪が降り積もる白銀の世界をイメージしています。

 書き慣れていない人が書くと

文章を書き慣れていない人は、以下のように書くことが多いです。

六本木のけやき坂通りは、幾千万の明かりでキラキラと輝き、夜なのにまるで昼間のようだった。僕はすっかり感動してしまい、しばらく立ち止まって明かりを眺め続けた。僕はあふれんばかりの光の洪水に流された。

 この文章を修正すると

この文章に手を入れてみましょう。

雪が舞い降りた。

ルイ・ヴィトンやシャネルなど高級ブランドのショップが並ぶ東京・六本木のけやき坂通り。

クリスマスの時期はイルミネーションを楽しむ人々が行き来する。

400㍍の並木道に70万灯の青と白のLEDが飾られ、白銀の世界を再現する。

僕は時を忘れ、静謐な光の世界にしばし身を委ねた。

 最初の一文はできるだけ短く

最初の一文はできるだけ短く、書きたいことを象徴する言葉を使うと効果的です。

読者に「えっ」と思ってもらえれば成功です。

以下の文章を興味を持って読んでもらうことができます。

二文目以降で、読者がイメージしやすいように、固有名詞や数字を入れながら具体的に書きます。

「感動」を使わずに感動を表現

最初の文では、「キラキラと輝く」「あふれんばかりの光の洪水」などと例えていますが、抽象的で読者にはイメージが伝わりません。

また、感動したことを伝えるためには、「感動した」と書いてはいけません。

感動という言葉を使わないで、いかに感動を伝えるかが勝負どころになります。