出会い系サイトで、相手がどんな人なのか、見分ける大事な要素が写真である。
あてにならない顔写真
ただ、この写真ほどあてにならないものもない。
今は加工技術が発達しており、肌はつるつる、目はぱっちりなんて朝飯前である。
身バレが怖いため、顔の一部しか写っていない写真を載せている人も多い。
待ち合わせ場所に、写真ととは別人のような人が現れて、気づかない、なんてこともある。
僕は4、5人会ってからは、写真は参考情報程度にとどめるようになっていた。
むしろ、はじめから写真がないほうが爽やかである。
目がきれいなえみさん
出会い系を初めて間もないある日、僕は新宿の西武新宿線の駅前の広場でえみさんを待っていた。
サイトに載せていた写真は、目だけを強調したものだったが、なんとなく可愛げであった。
待ち合わせ場所は、スクランブル交差点のすぐ手前だった。
待ち合わせ時間の午後3時。
交差点の向かい側から、誰よりも先にこちらに向かって駆けてくる異様な物体があった。
推定で、バスト90、ウエスト100、ヒップ120。
迫り来る未確認生物
見事なつちのこ体型である。
幻の生き物である。
黒のフリフリのドレスを纏い、僕にしっかりと照準を合わせ、手を振りながらどんどん近づいてくる。
僕は、走って逃げよう、と思った。
でも、あまりの迫力に足がすくんで動けなかった。
この後の惨劇については、墓場まで持って行く。