指示詞はできるだけ使わない

2021/12/28

「これ」「あれ」「それ」といった指示詞も、わかりやすいものを除きなるべく使わないようにします。

 国語の試験の定番

国語の試験で、

以下の文章の中で、下線Aの「これ」が指し示すものを答えなさい

という問題はよく出ます。立ち止まってじっくり考えなければわからないから試験問題になるのです。試験だから読み手は考えてくれますが、通常の文章ならば面倒で読み飛ばすか、最悪読むのをやめてしまうかもしれません。

 

 「これ」を具体的な単語に置き換える

では、どうすればいいでしょうか。「これ」が指し示すものを具体的な単語に置き換えればいいのです。例えば以下のような文章で考えてみましょう。

「G7の共同声明では、初めて台湾海峡という文言を使い、中国を念頭に現状の国際秩序を維持するように求めた。これに中国は早速反発し、1つの中国の理念に対する挑発で看過できないと発表した」。

「これ」を使わないで書くと、「G7の共同声明では、初めて台湾海峡という文言を使い、中国を念頭に現状の国際秩序を維持するように求めた。声明に台湾海峡と明記されたことに対し中国は早速反発し、1つの中国の理念に対する挑発で看過できないと発表した」。

 「これ」を使わない方が文章が明確に

多少文章は長くなりますが、下の文章のほうが「これに」が何を指すのかを明確にしており、読者にわかりやすいと思います。上記の文章は指示詞が1カ所だけですが、全体の文章の中にいくつも出てくるとすらすらとは読めなくなってきます。読み手はいちいち指し示すものを考えなければならないからです。やむを得ない場合を除き、指示詞は極力使わないで書きましょう。

 例外はすぐ前の文章を受けている時

 例外は、すぐ前の文章をこれ、それで受けていて指示詞が何を指し示すか明確であり、かつ字数を減らす効果が高い場合です。自分で書いた文章を読んでみて、明らかにわかりやすい場合には指示詞を使います。