逆説の接続詞「しかし」の使い方

2021/12/27

逆説の「しかし」は、単純に省くと意味が通じにくくなることがあります。「しかし」の前段で展開してきた内容と逆の話を始める合図になっているからです。

「しかし」が必要不可欠かどうか考える

 「しかし」の一言で、読み手は話の展開がここから変わるんだと理解します。順接の接続詞とは違い、逆説の接続詞は使ったほうが読みやすくなる場合もあります。

 しかし、「しかし」を使わなければならない文章がそもそも必要なのか、という問題があります。今までの文章の流れをいったんせき止めて、あえて違う話を持ってくることが、読者の理解を深める場合のみ許されると思ってください。「しかし」と書きたくなったら、その文章が必要不可欠なのか、書き手も立ち止まって考えてみたほうがいいと思います。

 新聞記事やビジネス文書は「起承承結」

 文章は起承転結で書くとよい、と言われますが、新聞の記事の場合、特にストレートニュースは「起承承結」の場合が多いです。すらすら読んでもらうことを重視するからです。ビジネス文書も同様に 「起承承結」 が向いています。「転」の部分が入ると論旨がぼやけますし、読者は立ち止まってアタマを切り替えなければなりません。

 読み物や物語は「起承転結」 

 ニュースではなく読み物や、ストーリー性のある物語の場合は、起承転結のほうが内容に深みが出ます。「しかし」を効果的に使うことで読者の驚きや関心を誘います。ある意見について書き込んだ後に、もちろん違う意見の人もいる、とバランスを取るような場合も「しかし」は有効です。